
野球肘は施術で完治可能です
野球肘は、野球選手が繰り返しボールを投げることで、肘に痛みが出た状態をまとめて呼んでいる名称です。
特定の病名ではなく、投球動作によって生じた肘の痛みの総称に過ぎません。
そのため、診断名に過度に不安を感じる必要はありません。
診断名が不安を煽る理由
整形外科や接骨院を受診すると、
「上腕骨内側上顆炎」「内側側副靱帯損傷」などの診断名を告げられることがあります。
しかし、これらの名称は痛みの出ている場所や状態を表しているだけであり、実際に組織が切れていたり、壊れているケースはほとんどありません。
もし本当に炎症や損傷が起きているのであれば、施術でその場で痛みが取れることはありえません。
傷や骨折がその場でくっつかないのと同じです。
それにもかかわらず、当院では一度の施術で改善、あるいは完治する野球肘のケースが多数あります。
これはつまり、「〇〇炎」「〇〇損傷」という診断名が、実態を正確に表していないということです。
野球肘の種類について
野球肘と一言でいっても、痛みの出る場所や年齢、状態によって、さまざまな名称が使われます。
以下は、一般的に知られている野球肘の一部です。
肘の内側の痛み
上腕骨内側上顆炎
前腕の筋肉が繰り返し引っ張られることで、肘の内側に痛みが出るとされています。
ゴルフ肘とも言われます。

画像引用元:上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)とは – 森整形外科リハビリクリニック
上腕骨内側上顆障害(リトルリーグ肘)
成長期の子どもに多く、骨の成長途中の部分に負担がかかることで痛みが出ると説明されます。

画像引用元:野球肘(やきゅうひじ) | 診療科・診療センター | 名鉄病院
上腕骨内側上顆裂離・骨端線障害
成長軟骨や骨の剥離が原因とされるケースです。

画像引用元:野球肘 上腕骨内側上顆裂離 | がんばるわが子に10分ケア。パパママトレーナー
肘の外側・後方の痛み
離断性骨軟骨炎
関節内の軟骨に変化があるとされる状態です。

画像引用元:膝離断性骨軟骨炎とは | 済生会
滑膜ひだ障害・肘頭疲労骨折
投球動作の繰り返しによる負担が原因と説明されます。

画像引用元:整形外科の病気:膝棚障害 | 病気の治療 | 徳洲会グループ
これらは名称こそ異なりますが、本質は「投球動作による負担が、どこに出ているかの違い」に過ぎません。
安静・湿布で治らない本当の原因
野球肘と診断されると、「安静」「湿布」「固定」といった対処を指示されることがほとんどです。
しかし、これで治らないケースが非常に多いのが現実です。
一般的には、前腕の筋肉(前腕屈筋群)の硬さが原因と言われますが、そこをマッサージしても改善しません。
当院の臨床経験から断言できるのは、野球肘の本当の原因は肘そのものではないということです。
多くの場合、野球肘の痛みの原因は、肩関節や手首の固さや動きの悪さにあります。
肩や手首の動作が悪いために肘がそれを補うよう無理をし、結果として痛みを引き起こしているのです。
手術や長期安静は必要か
重度の骨折を除き、野球肘に手術は不要です。
骨の出っ張りや剥離が見つかっても、痛みのないケースはいくらでもあります。
画像に写った変化=痛みの原因ではありません。
成長期に故障が多いのは、身体が伸びようとする力と、繰り返しの練習で身体が硬くなろうとする力が同時に働き、全身に歪みが出やすくなるからです。
当院の施術方針
当院では、肘だけを見ることはありません。
肩や手首、そして見落とされがちな上腕三頭筋などを含め、投球動作全体の動きを確認します。
その上で、患者さん一人ひとりに合わせたオーダーメイドの施術を行い、スポーツを続けながら最短で完治へ導きます。
まとめ
野球肘は、野球をしている限り誰にでも起こり得る症状です。
しかし、安静や湿布で長期間治らないのであれば、痛みの原因の考え方がズレているということです。
診断名や画像所見に振り回される必要はありません。
〇〇炎などの炎症に関しても、実際は炎症していないケースがほとんどです。
詳しくはこちら >> 炎症について|つろぎ鍼灸整骨院
野球肘は、手術をしなくても施術で治ります。
現在の治療方針に不安がある場合は、セカンドオピニオンをお勧めします。