
テニスをしていないのにテニス肘?肘の外側が痛む本当の理由
重い物を上からつかもうとした瞬間、肘の外側にズキッと走る痛み。
湯呑みを持つだけでもつらい。
そんな状態で医療機関を受診すると、「テニス肘」と診断されることがあります。
テニスをしていないのにテニス肘。
この名称に違和感を覚える方は少なくありません。
テニス肘とは何か

正式名称は上腕骨外側上顆炎と言います。
肘の外側にある「上腕骨外側上顆」という部分に痛み(炎症)が出る状態を指します。
テニス選手に多いことからこの名前が付いていますが、実際にはデスクワークや家事、レジ作業など、日常動作でも起こります。
テニス経験の有無は関係ありません。
よくある症状
- 物を握ると肘の外側が痛い
- フライパンやポットを持つのがつらい
- タオルを絞ると痛みが走る
- パソコン作業でズキズキする
- 手首を反らすと痛い
進行すると、肩や首、腕全体にまで違和感が広がることもあります。
一般的な原因と治療
一般的には、肘の腱の使いすぎや微細な損傷、炎症が原因と説明されます。
そのため、安静、湿布、鎮痛剤、電気治療、ストレッチ、サポーターなどが行われます。
重度の場合は注射や手術が検討されることもあります。
しかし、「何ヶ月も通っているのに変わらない」という声をよく聞きます。
なぜなかなか治らないのか?
それは、肘だけを治療の対象にしているからです。
炎症という誤解
正式名称を上腕骨外側上顆炎と言うように「炎」と付くため、多くの方が炎症だと思い込みます。
ですが、実際に炎症反応が確認できるケースはほとんどありません。
もし本当に炎症であれば、冷やして安静にしていれば経過は変わります。
湿布を貼って一時的に楽に感じることがありますが、それはプラシーボ効果による安心感が脳に働きかけているに過ぎません。
根本原因が残ったままでは、外せば痛みは戻ります。
肘は被害者に過ぎない
肘の外側には、手首を伸ばす筋肉が付着しています。
そこが引っ張られることで痛みが出ると説明されます。
しかし、肘は結果として痛みを感じているだけです。
負担を集めている本当の原因は別の場所にあります。
多くの場合、それは肩です。
肩の筋肉の動きが悪くなると、力がうまく分散されず、末端である肘に歪みが集中するのです。
肩を固める「黒幕」

さらに深く見ると、肩が固まる背景には胸椎の硬さがあります。
胸椎は肋骨とつながり、肩甲骨の土台になります。
背中が丸まり胸椎が動かなくなると、肩甲骨も自由を失います。
呼吸は浅くなり、筋肉は酸素不足になります。
酸素が足りない筋肉は硬くなり、肘を強く引っ張ります。
肘をいくら処置しても変わらない理由はここにあるのです。
当院の施術の考え方
当院では、肘だけを処置することはありません。
肩の奥にある深い筋肉を、慎重にゆるめます。
同時に、胸椎や肋骨の動きを整え、肩甲骨が自然に動ける状態を作ります。
土台が動き出すと、肘の筋肉の緊張は抜けます。
その結果、肘の痛みは自然に引いていきます。
テニス肘は野球肘より治りづらい傾向がありますが、ポイントを外さなければ経過は変わります。
肘は原因ではありません。
背骨と肩を整えることが、最短の道です。
まとめ
テニス肘は、肘の外側に痛みが出る状態の総称です。
上腕骨外側上顆炎と言う名称に反して、実際に炎症が原因であるケースはほとんどありません。
湿布や肘だけの治療で変化が乏しいのは、原因が肩や背骨にあるからです。
視点を肘から全身へ広げたとき、はじめて改善への道が見えてきます。
現在の説明や対応に疑問がある場合は、セカンドオピニオンをおすすめします。