
「朝、どうしても起きられない」
「学校には行けないのに、昼過ぎからスマホやゲームはできている」
起立性調節障害(OD)と診断されたお子さんを見て、「本当にそんなにつらいのだろうか」「怠けているだけではないか」と悩む親御さんはよくいらっしゃいます。
この問題を「やる気」や「自律神経の乱れ」で考えてしまうと、なかなか改善の糸口が見えません。
当院では、成長期の身体を「成長」「栄養」「身体の構造」という3つの視点から紐解いていきます。
急成長期に起きるエネルギー不足
小学高学年から中学生、高校生にかけては、一生の中でも最も身体が大きく成長する時期なので、身体は軽自動車のエンジンのまま、大型トラックの車体を動かしているような状態になります。
身体が大きくなるほど、多くの栄養とエネルギーが必要になるのですが、今までと同じ食事量や栄養バランスでは、その急激な栄養の要求に追いつけません。
身体を成長させるだけでエネルギーを使い切り、日常生活に使うエネルギーが不足してしまうことがあるのです。
朝起きられない理由
朝は身体を活動モードへ切り替えるため、多くのエネルギーを必要とします。
ところが成長期では、その材料となる栄養が身体の成長へ優先的に使われてしまうため、朝だというのに身体を動かすだけの栄養が残っておらず、起き上がることができないのです。
決してサボっているのではなく、動くためのエネルギーが足りていないということです。
ゲームはできる理由
「学校へは行けないのにゲームはできる。」
親御さんが最も疑問に感じる場面です。
しかし、学校へ行くためには、起き上がり、着替え、歩き、長時間座って授業を受けるだけのエネルギーが必要になります。
一方で、寝転んだままスマートフォンやゲームをするために必要なエネルギーは、それほど多くありません。
少ないエネルギーでもやれることをやっているだけなのです。
成長期に必要な栄養
成長期は、筋肉や血液、神経伝達物質などを作るための栄養が大量に必要になります。
だからといって、無理に食事量を増やしたり、自己判断でサプリメントを大量に摂取したりすることはおすすめできません。
エネルギー不足の身体は、消化・吸収する力も低下していることがあるからです。
さらに、自律神経が乱れている状態では、胃腸の働きも十分ではありません。
必要なのは、栄養を入れることだけではなく、しっかり吸収できる身体に状態を整えることです。
身体の器を整える
当院では、姿勢不良や骨格の歪みによって身体へ余計な負担がかかっていないかを確認します。
骨格や姿勢が崩れることで内臓へ負担がかかり、自律神経にも影響を与えることがあります。
施術によって身体の構造を整えながら、お子さんの身体の状態に合わせた栄養についてもお伝えします。
身体の器を整えて、栄養を吸収しやすい環境を作ることこそが、改善への近道なのです。
まとめ
起立性調節障害は、やる気だけの問題ではありません。
急激な成長によるエネルギー不足や栄養、自律神経、身体の構造など、様々な要素が重なって起こります。
だからこそ、薬だけ、栄養だけ、姿勢だけという1つに絞った方法ではなく、俯瞰的に全体を見ながら様々なことを整えていくことが大切です。
お子さんが毎朝元気に学校へ行ける身体を目指し、原因を探していきましょう。