整形外科で「オスグッド」と診断され、レントゲンでは骨に異常がないため湿布を渡され、様子を見る。
スポーツに励む子どもの膝の痛みでは、本当によくあるケースです。
しかし、この「様子を見る」という期間が長くなると、子どもは痛みを我慢しながら練習を続けることになります。
今回は、整形外科でオスグッドと診断され、2ヶ月間痛みが続いていた中学生の症例です。
来院までの経過
来院されたのは、中学2年生のバスケットボール部の女の子です。
約2ヶ月前から膝に痛みが出始め、整形外科でオスグッドと診断されました。
湿布を貼りながら練習を続けていましたが、両膝の痛みが残っている状態でした。
特に左膝の痛みが強く、最近では自宅でも痛みを訴えるようになったため、お母様が心配されて来院されました。
オスグッドの痛みが出ている膝へ湿布を貼っていても、膝へ負担を集中させている原因は変わりません。
2ヶ月間、湿布を使いながら練習を続けていましたが、痛みは残ったままでした。
痛みの原因は膝ではなかった
身体の状態を確認すると、痛みが出ている膝とは別の場所に問題が見つかりました。
特に目立っていたのが、股関節の動きの悪さです。
股関節の柔軟性が低下し、動かせる範囲が非常に狭くなっていました。
走る、止まる、ジャンプする、着地するといった動作では、股関節も動くことで身体にかかる衝撃を受け止めます。
しかし、股関節が十分に動かなければ、そこで受け止められなかった負担が膝へ集中します。
バスケットボールでは、ダッシュ、急停止、切り返し、ジャンプ、着地を何度も繰り返します。
そのたびに膝へ負担がかかり、屈伸動作でも痛みが出る状態になっていました。
オスグッドと診断されても、痛みの原因が膝そのものにあるとは限らないのです。
オスグッドの施術
施術では、痛みが出ている膝を強く揉んだり、無理に曲げ伸ばししたりすることは行いません。
ゆらし療法を用いて、硬くなっていた股関節の緊張を解き、動かせる範囲を整えていきました。
施術後には身体の動かし方も伝え、再び屈伸をしてもらいました。
来院時には痛みが出ていた動作でしたが、施術後は痛みがほとんど出ない状態になっていました。
膝へ負担を集中させていた股関節の動きが変わることで、屈伸時の膝の痛みにも変化が出たのです。
自宅で続けてもらったこと
施術後は、自宅で行う簡単な自己ケアを伝えました。
施術によって身体の動きが変わっても、普段と同じ動かし方を繰り返せば、以前の状態へ戻りやすくなります。
そこで、自宅でも正しい身体の使い方を繰り返してもらうことにしました。
1日に数回行うことで、脳と筋肉が新しい動かし方を覚えていきます。
患者さん本人も、毎日自己ケアを続けてくれました。
施術後の経過
数日後、お母様へその後の状態を確認しました。
「その後も痛みはなく、以前と同じように運動ができています。家でも痛いと言わなくなりました」との返答をいただきました。
自己ケアも毎日続けてくれていたそうです。
今回の症例でも、痛みが出ていた膝ではなく、股関節の動きが膝へ負担を集中させていました。
痛みを我慢しながら運動を続けると、無意識に膝をかばうようになります。
その状態が続くと、反対側の膝や足首、股関節、腰など、別の場所へ負担が広がることもあります。
痛みが改善しない場合は、痛みがある場所だけではなく、身体全体の動きを確認することが大切です。
まとめ
今回の患者さんは、整形外科でオスグッドと診断され、湿布を貼りながら2ヶ月間、だましだましバスケットボールを続けていました。
整形外科で骨の状態を確認することは、大きな怪我や病気を見落とさないために重要です。
しかし、患部への湿布や電気治療を続けても痛みが変わらない場合は、患部以外の動きも確認する必要があります。
現在通院されている医療機関や治療院で改善がみられない場合は、一度セカンドオピニオンをお勧めします。